茶籠を組むために、最初にすることは?
まずは茶碗と茶籠(箱)を選びます。茶碗の大きさがMであれば、Mサイズの籠(箱)とMサイズの建水を選びます。Sサイズの茶籠でも、茶杓だけはMサイズで大丈夫。茶籠には茶巾箱がおすすめ、茶箱には茶巾筒をおすすめいたします。
そこまで決まれば、あとはお洋服を選ぶように、袋を選んでいきます。籠を開いたとき、最初に目に入るのが茶器と茶杓です。お気に入りの茶器袋と茶杓袋を選んでから、他の袋を選んでいきましょう。
袋物の色合わせを考えるのは、とても楽しい時間です。季節の変化によって着せたい・選びたい色や素材が変わるので、ものすごく悩んでしまうときはベースのお洋服を揃える気持ちで、色数をしぼるとまとめやすくなりますよ。
茶籠の道具、それぞれのポイント
01 籠と箱
嘉門工藝で取り扱っている籠と箱は全て、建水サイズをベースに木型を作った、オリジナルのものです。特に、茶筅筒をたてた状態で入れる事ができるよう、高さを保っています。
02 建水
お茶を点てる時の必需品でありながら、これまで茶籠に含まれていない事が多かった建水ですが、嘉門工藝は必需品すべてが入る茶籠をめざしました。また、建水をベースに入れることにより、大切な茶碗をしっかりと守ることができます。
03 茶碗
嘉門工藝で扱う茶碗は、建水に内蔵できる寸法です。これは、ほとんどが、旧知の作家さん達に特注依頼しているからできること。ジノリさんの茶碗は、イタリアから、茶籠セットに限り販売許可をいただいている茶碗で、すでに廃版になっております。
04 茶杓
鉄刀木(たがやさん)は、鉄を切る刀と表現されるほど堅牢な木です。白蝶貝は20cm弱の貝からくり抜いた貴重なもの。貝はカーブしているため、まっすぐな部分を切りだして、中央をコーティングした銀で巻いています。2つのパーツを巻いてとめているため、持運びのときには籠に入れずに持運び、現地で籠に入れて使うことをお勧めいたします。
05 茶器
村瀬治兵衛作小棗は漆塗りで使い込むほどに魅力が増します。治兵衛デザインの楓茶器は軽やかでスタイリッシュ。内蓋がついています。
06 茶筅筒、茶巾筒・箱
茶筅筒と茶巾筒・箱は、茶筅を持運ぶ時に竹の穂先が折れないように保護するもの。木製と金属製があり、すべて嘉門工藝オリジナルです。奈良の茶筅も茶碗の大きさのバランスに合わせて小さ目に特注しております。ご自宅においては、茶筅は筒に入れずに保管してください。茶巾筒は、茶巾を筒状にして入れるもの。茶巾箱は、茶巾を畳んで入れるものです。蓋に茶筅を置くことができますので、野点をするときは特に重宝いたします。
07 袋
茶器、茶杓、茶碗を保護するための袋です。
それぞれの寸法にあわせて、熟練の縫製師が一点一点手作業で仕上げています。茶籠の一番上に見えるものが茶杓と茶器の袋です。この茶器と茶杓の組合わせの相性が合うとすっきりコーディネートできることと思います。すべてリバーシブルで片面が無地のため、無地面を組合わせれば、ほとんどの色合わせの悩みは解決いたします。まずは茶器と茶杓の袋から季節ごとの色目をお楽しみいただきたく、今の気分で組合せをお選びください。
内側に布が貼られていない籠をお使いになるときは、内袋として茶碗袋Lをお求めいただくと安心です。
あったら嬉しい便利なもの
01 盆
茶籠のなかの道具を展開する場面では、舞台となる盆があるとどのように置いてもすっきりまとまります。野外でも平らな場所を選ぶのに苦労した覚えがあり、盆が役立ちます。盆のかわりにはランチョンマットや風呂敷なども携帯いたします。沢栗盆は堅牢で傷も目立たず、道具を引き立てる優れものです。
02 茶こし缶
だまにならずに抹茶を点てるための必需品。抹茶は粒子が細かく、だまになりやすい性質がありますが、お茶を直前に漉すことでほぼ解決いたします。茶を漉すとお茶の味が格段によくなるため、その味を知ってしまうと、漉さずに点てることができなくなるほど。出先でお茶を点てるときは、茶こし缶もセットで運び、現地で茶をこして茶器に入れます。時間に余裕のないときは、前日に、宿泊したホテルで抹茶をこしてから、当日茶器にいれて運ぶこともおすすめです。→茶こし缶
03 懐紙・小さな銘々皿・楊枝
地方ならではの生菓子を購入してその場で食べたい時、懐紙や銘々皿と楊枝があると、茶箱の楽しみが倍増いたします。
04 おしぼり
アジアなど、水場がない場所に茶籠を持参するとき、香りの無い除菌おしぼりを持参して使い捨てると便利です。
05 風呂敷、トートバッグ
籠全体を風呂敷で包みバッグにいれると籠が守られ、包みを開けると敷物にもなり、とても便利です。
06 小さな宝物
お茶に関係なく旅に同行したい小さなものたち、旅先では茶籠にいれる小さなものを常に探していて、お茶のみ話の種にいたします。
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茶籠は最高のおもてなしの道具です。
茶籠があれば、茶室がなくとも、その場がおもてなしの空間になります。もちろん、ひとりの時間も豊かにしてくれます。茶籠を通して、その場が笑顔であふれますように。